日本のおなじみの『ティラミス』は、イタリア発祥の人気スイーツです。エスプレッソのほろ苦い香りとココアパウダー、程よいカスタードクリームの甘みは、まさに大人向けのデザートとしても人気がありますが、実は家庭の味ともいわれるイタリア定番のスイーツです。
『ティラミス』は、イタリア語で直訳すると「私を引っ張り上げて」という意味があります。日本語にわかりやすく直すと「私を元気づけて」という意味になります。お菓子が沈んだ気分を引っ張り上げてくれる、つまり元気づけてくれるということです。
イタリアにはさまざまな種類のドルチェがありますが、『ティラミス』は20世紀後半になってから新しく生まれたデザートです。発祥についてはいくつかの説があるようですが、16世紀後半にイタリア中部のトスカーナ地方で生まれたズッパ・イングレーゼというお菓子が原型と言われています。北イタリアのヴェネト州に移り、イタリア北部から広まり、今では世界のお菓子と言われるくらい世界各国で愛されているお菓子となったようです。
イタリアではマスカルポーネチーズと呼ばれる生クリームのようなチーズの原産国です。また、ビスコッティはピエモンテ州、クリームのベースとなるザバイオーネもピエモンテ州の郷土デザートなので、イタリア特産のマスカルポーネチーズを使って作られる『ティラミス』がイタリアの家庭の味と言われる浸透するのは、自然な流れだったのかもしれません。また、マスカルポーネチーズに卵を入れることで、栄養補給もできると人気が高まり国内だけでなく海外にも浸透していったと言われています。
『ティラミス』はイタリアの家庭の味と言われているだけあり、材料さえあれば意外と簡単に作ることができるので紹介します。基本的なつくり方は、まずビスケットにエスプレッソを染み込ませて、適度な大きさの型に敷き詰めます。その上に、ボウルに卵黄とグラニュー糖を温めながら混ぜ合わせてたものにマスカルポーネチーズを加えて滑らかになるまで混ぜ合わせたカスタードソースを流し入れます。この工程を2~3層繰り返したら冷蔵庫に入れて冷やして固めます。固まったら表面にココアパウダーを振りかけて完成です。スーパーなどでマスカルポーネチーズを手に入れることができますが、マスカルポーネチーズがない場合にはクリームチーズで代用したり、ビスケットの代わりにカステラを使って作ったりとさまざまなアレンジのお菓子レシピも存在しています。クリームチーズやカステラで代用して作ってもおいしくできるのでおすすめです。