チュロスはスペイン語で『チュロ』と呼ばれるスイーツのひとつで、揚げドーナツの一種です。日本では複数形のチュロスという呼び名が広く知られていますが、コーヒーショップやドーナツ専門店ではチュロの名称が用いられています。

その歴史には諸説あり、スペインかポルトガルが起源と考えられています。ポルトガルを起源とする説では、16世紀に明を訪れたポルトガル人が中国の揚げパンを模して作った物が、スペインに伝わったとのことです。
スペインを起源とする説では、スペインの羊飼いが野外生活で簡単に作れるパンの代用品として考案したとされ、チュロの名前の由来はナバホ・チュロという羊のカールした角に形に似ていたからとのことです。さらにスペインには17世紀前半、チュロを作る職人がチュロの値上げを申請したという記録も残っています。
その後、スペインやポルトガルからラテンアメリカに伝わって以降、チュロは世界の各地で食べられるスイーツとなり、遊園地や映画館で親しまれるスイーツになりました。
チュロスの材料は小麦粉と水に少量の砂糖と塩を加えるだけのシンプルな物ですが、ココアパウダーで味付けされることもあります。作る時には熱いお湯で生地を練り、星型の絞り金から絞り出した生地を油で揚げてはちみつやシナモン、砂糖をまぶせば完成です。チュロスの生地はお湯で練った粘りのある物なので、丸い絞り口で作ると膨張してはじけるので注意が必要です。本場スペインでは湾曲した形状の物が多く見られますが、これは鍋のふちから中心に向けてらせん状に油の中へ生地を絞り出し、加熱後に切り分けているためです。
日本では輪っか状に絞り出したものが販売されていたり、膨張剤を加えた柔らかい生地や、米粉を加えた作り方が紹介されることもありますし、ホットケーキミックスを絞り出して作る揚げドーナツをチュロスと呼ぶこともあります。また、日本ではスイーツとしてスティック状で表面に蜂蜜などをまぶしたものがよく知られていますが、本場スペインでは『チュレリア』と呼ばれるチュロ専門店で朝食として食べることが多く、特に冬場にはチョコレートソースのように濃いホットチョコレートへディップして食べるのが定番の食べ方です。この時に提供されるホットチョコレートは、甘さが控えめです。ラテンアメリカでは揚げた生地の中にフィリングを入れた物も広まっており、チョコレートやチーズのほか、ドゥルセ・デ・レチェと呼ばれるキャラメルを入れることもあります。